保育サービス事業者の方へ

1 業界の特徴と法的リスク

 少子化の進展を背景としつつも、保育所等の利用児童数と施設数はいずれも一貫して増加しています。いわゆる「待機児童」問題は、特に都市部では深刻な問題です。
 株式会社による経営が平成12年から認められましたが、平成28年の統計によると、株式会社等が設置主体となっているのは約3.9%にとどまり、約52%が社会福祉法人、約39%が公立となっており、依然、社会福祉法人による運営が主流となっています。
 保育所は、「認可保育所」と、「認可外保育所」に大別されます。「認可外保育所」には、託児所やベビーホテル、事業所内の保育施設などがあります。従業員向けの託児施設を活用した企業主導型保育事業は「認可外保育所」の一つです。

(1)人手不足と労働条件

 若年層の人口減少を背景とし、新規採用の難しさが指摘されています。いわゆる「感情労働」の側面があり就職後に職業適性が判明することもあって、早期離職率が一定程度あります。
 保護者への対応などのため終業時間が遅くなることもあり、労働時間管理は簡単ではありません。また、私立保育園では、正職員に加えて、有期契約やパート契約など、様々な契約形態で人材を確保していることが多く、労働条件の管理が十分に出来ていない事業所が少なくありません。

(2)保育事故への対応

 園児同士のケンカ、遊具での怪我など、保育所の監督責任や管理責任を問われるケースがあります。保育所に責任がない場合であっても、園児のご家族への説明やフォローに対し、法的な知識を要するシーンがあります。

(3)利用者や周辺住民等からのクレーム

 保護者からの苦情や、周辺住民からの苦情やクレームがありえます。常識的な話し合いによる解決が望ましいのですが、なかには、法的な解決を想定した対応をすることが望ましい事案もあります。

2 顧問弁護士の活用方法

(1)労務管理のコンプライアンス

 最近、特にネットを介して情報が得やすくなったことも影響しているのか、法律のルールを持ち出して、直接、経営者と交渉してくるスタッフさんが増えていると感じます。
 また、教育・福祉分野という性格から、問題行動のあるスタッフをそのままにしておくことは、大きなトラブルを生む危険があり、早期の対応が重要といえます。
 具体的には、就業規則の整備や就業規則の実情に応じた変更、各種規定の作成や、スタッフとの交渉のバックアップ、さらに問題のあるスタッフへの指導のバックアップなどを、顧問弁護士がお手伝いいたします。

(2)事故・クレームへの対応(危機管理チームの編成)

 事故発生時は、園児や保護者への対応などの初動が大切です。重大な事故であれば、行政や保護者会への説明にも細心の注意を払う必要があります。
 弁護士が、対応方法のアドバイスや、交渉をバックアップいたします。状況に応じ、弁護士が交渉窓口となることも可能です。
 さらに、トラブル予防と迅速な対応のため、スタッフさんと弁護士が「安全管理委員会(危機管理チーム)」を編成することをお勧めしております。現場のヒヤリ・ハット事例を基礎としてトラブル発生時のフローを作成し、訓練をいたします。実際のトラブル発生時には、トラブル対応にあたりつつ、当事者となった保育士さんへの精神面のフォローまで視野に入れ、通常業務の維持に努めます。

(3)保護者への対応

 保護者と話しにくいことを話す、というシチュエーションは少なくありません。例えば、保育料など自己負担金の滞納に対する督促もその一つです。
 各事業所において一定のノウハウをお持ちであるとは存じますが、弁護士が対応方法をアドバイスいたします。

(4)取引先との交渉

 施設の賃貸借契約や備品のリース契約、消耗品の仕入れなど、様々な契約を締結されていることと存じます。長期に安定した経営を行うためにも、不利な契約条件とならないよう、契約条件をチェックし、交渉できる箇所はしっかりと交渉されることをお勧めします。弁護士が契約書のチェックや、交渉方法のアドバイスをいたします。ご希望によっては、弁護士が代理人として、交渉を担当することもできます。

3 当事務所の特徴

 当事務所では、保育園の顧問弁護士を務め、事業の特殊性を踏まえたトラブルの予防と解決のノウハウ蓄積に努めております。
 奈良を中心とした保育サービス業の方々で、ご相談をご希望の方は、お気軽に、ご連絡ください。

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住所

〒631-0824 奈良市西大寺南町8番33号 奈良商工会議所会館1階
TEL 0742-81-3323 
FAX 0742-81-3324

電車

近鉄「大和西大寺駅」南側より徒歩3分。
近鉄「大和西大寺駅」の中央改札口を出て、右方向(南側)に進み、地上まで降ります。
バスロータリーから南に向かって直進し、一つ目の信号を越えた左手に「奈良商工会議所会館」のビルがあります。
その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。

自動車

阪奈道路(高架下)から「菅原東」の交差点を曲がり、「大和西大寺駅」方面(北側)に向かって道なりに進みます。
「大和西大寺駅」南側のバスロータリーより一つ手前の信号の右手に「奈良商工会議所会館」のビルがあります。
その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。

《駐車場について》
ビルの来館者用駐車場に空きがあれば無料でご利用いただけますが、空きがない場合は周辺のコインパーキングをご利用ください。


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