物流業界は、ネット通販の急増により、業界全体が大きな影響を受けています。中でも、人手不足やコスト高の問題を抱えていることが多いと言われています。
物流業には、業種として、次のような特徴があります。
荷主からの条件に対応するため、ドライバーさんの労働時間が長時間になる傾向があります。特に、長距離運送の業界では、拘束時間が長く、帰宅できるのが週に1回程度という労働条件であることも珍しくありません。このような労働条件は、人手不足の原因の一つになっています。
また、性質上、労働時間の管理が簡単ではなく、残業代請求など、労働トラブルが起こりやすい背景があります。
業界の特殊性として、荷主は比較的経営規模の大きな事業者に定型的に発注することが多く、規模が小さな事業者は、その元請事業者から下請し、さらに、二次以降の下請事業者に請負に出すことが多くみられます。実際の配送を行うのが、四次、五次の下請事業者であることもあります。
そのため、法律関係が複雑となり、一つのトラブルに対し、法的な責任があるのは、どの事業者であるのかが分かりにくく、いったんトラブルが発生すると、解決が非常に難しいという特徴があります。
個人事業者でも要件を満たせば、新規参入が可能となっています。(平成2年の物流二法の施行)。そのため、個人事業をはじめ、小規模な事業者の割合が高くなっています。
このことは、事業者の交渉力に影響を与えており、荷主や元請からの条件提示を拒みにくいという、実情があります。
物流業では、労働時間の適正な把握が出来ていない例が多く、残業代請求など、従業員からの苦情・クレームについて、十分な反論ができない事業者があるのが実情です。
ドライバーさんは、もともと権利意識が比較的高い職種でしたが、最近、特に、ネットを介して情報が得やすくなったことも相俟って、法律上の基準というものを意識されるようになったと感じます。
条件がクリアであればあるほど、人材の定着は進むと考えられることから、適正な労務管理は、ひいては、人手不足対策にもなると思われます。
具体的には、労務管理体制の整備、就業規則の整備、従業員への周知徹底などについて、顧問弁護士がお手伝いいたします。
物流業では、関係者が多く、元請や関連業者との契約の数が膨大となっています。それにもかかわらず、契約書を作成していなかったり、相手方が提示した契約書をそのまま利用している例も少なくないようです。
長いお付き合いを重視して、契約書の交渉をきちんとしない、という一種のカルチャーがあるのは理解できますが、万一の場合は、契約書の記載が、責任の所在を決定する力を持ちます。長い付き合いになるからこそ、そして、大切な取引様だからこそ、契約交渉を、きちんとすることをお勧めします。
弁護士が、交渉方法や交渉スキームをご提案して、交渉をバックアップすることができます。ご希望によっては、弁護士が代理人となって、交渉をお引受けすることも可能です。
突然に、従業員からの労災の主張や残業代の請求が起こることがあります。また、予期せず、顧客や取引先からのクレームが発生することがあります。
ブラック企業と名指しされたことで、人手不足に拍車がかかることや、クレーム対応を誤ったことから企業の評判が低下することもありえます。
事業を守るためにも、早期に、弁護士のアドバイスを受け、適正・迅速な解決策を採られることをお勧めします。
弁護士が、対応方法のアドバイスや、交渉をバックアップいたします。状況に応じ、弁護士が交渉窓口となることも可能です。
事業を次世代へバトンタッチするための準備も、弁護士がサポートいたします。
親族に事業を承継する場合には、自社株式の生前贈与・遺言での譲渡(個人事業の場合、事業用財産の生前贈与など)など選択肢となります。
これに対し、親族外に承継する場合(従業員や同業者)には、株式譲渡や事業譲渡などを検討することになり、御社の状況に最も相応しいスキームをご一緒に検討させていただきます。
また、選択肢としては、合併や買収などのM&Aも候補に挙げ、御社の将来を見据えたプランを協議させていただきます。
当事務所では、取引交渉の支援(契約交渉バックアップ、契約書のレビュー)や、労務管理のコンプライアンスに注力し、事業展開の支援、トラブル予防の業務に当たって参りました。
また、残業代請求や労災の主張に対し、経営者側の立場から、迅速な紛争解決にあたって参りました。
奈良、大阪を中心とし、京阪神、関西一円の物流業の方々で、アドバイスをご希望の方は、お気軽に、ご連絡ください。
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その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。
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