製造業(中小製造業)の方々へ

1 製造業の特徴と法的リスク

 製造業は、日本の全産業のGDPの2割、就労人口の2割弱を占め、日本の基幹産業といえます。ものづくりは、いわば日本のお家芸ですが、世界情勢の変動により、大きな影響を受けています。また、検査不正などのコンプライアンス違反が、大きく報道されるなど、経営に新たな視点が必要となっています。
 製造業は、IT製造業から食品製造業まで多種多様ですが、次のような特徴があるといえます。

(1)人手不足と労働形態の多様さ―労務管理の難しさ

 恒常的な人手不足により、安定的な生産、技術の継承に困難をきたすことが多いと指摘されています。
 正社員だけでなく、派遣社員、業務委託、請負など様々な契約形態でマンパワーを確保していることが多いため、労務管理は簡単ではありません。総務・人事部門に人員を割く余裕がないことも多く、法改正に対応していなかったり、トラブル発生時の初動に手が回らないこともあります。
 そのような意味で、残業代請求や労働条件の交渉など、労働トラブルが起こりやすい背景があります。

(2)労災や製造物責任―責任が広がることがある

 大型機械を利用することから、製造中や運搬中などに、事故が発生する可能性があります。事故発生時は、労災や民事賠償の問題に発展することがあります。労災事故の場合、安全配慮義務違反を理由に、労災保険の上乗せ補償を請求されるリスクがありえます。
 また、製造物に欠陥があって、人が怪我などをした場合、製造物責任法に基づく責任を追及される可能性があります。

(3)契約の種類が多く複雑

 個別の製造委託契約から、OEM契約まで、幅広い契約類型が活用されていますが、取引先を信頼して、提示されたままの内容で締結している例が多くみられます。
 仮に、品質や納期をめぐって、クレームになった場合、お互いの認識が一致していないことが初めて判明する例もあります。
 特に、ノウハウや企業秘密、知的財産の取り扱いについては、双方の認識が異なることが多いと思われます。

2 顧問弁護士の活用方法

(1)労務管理のコンプライアンス

 中小製造業では、正社員と派遣、請負の区別、また、その業務時間の適正な把握が出来ていない例が少なからずあるようで、従業員の苦情・クレームについて、十分な反論ができない例が見受けられます。
 最近、特に、ネットを介して情報が得やすくなったことも影響しているのか、法律のルールを持ち出して、直接、経営者と交渉してくる従業員さんは増えていると感じます。
 従業員の契約類型の把握や勤務条件を明確にし、法的な基準をベースとしたクリアな労働条件となれば、人材の定着は進むと考えられます。その意味では、適正な労務管理は、ひいては、人手不足対策にもなると思われます。
 具体的には、労務管理体制の整備、就業規則の整備、従業員への周知徹底などについて、顧問弁護士がお手伝いいたします。

(2)事故や急なクレームへの対応

 労災事故はいつ発生するか予測できませんし、発生時は、被災した従業員へのフォロー等、初動が大切です。また、前触れもなく、残業代の請求が起こることや、取引先からのクレームが発生することがあります。
 弁護士が、対応方法のアドバイスや、交渉をバックアップいたします。状況に応じ、弁護士が交渉窓口となることも可能です。

(3)取引関係についてーリーガルチェックと交渉バックアップ

 製造業では、個別の製造委託契約から、OEM契約まで、幅広い契約類型が活用されていますが、契約書を作成しなかったり、「注文請書」で済ませることがあります。また、契約書を作成する場合でも、相手方から提示された条件を検討せず、そのまま締結している例が多くみられます。
 もし、トラブルが発生した場合、契約書の記載が、責任の所在を決定する力を持ちます。長い付き合いになるからこそ、そして、大切な取引様だからこそ、契約交渉を、きちんとすることをお勧めします。
 弁護士が、交渉方法や交渉スキームをご提案して、交渉をバックアップすることができます。ご希望によっては、弁護士が代理人となって、交渉をお引受けすることも可能です。

(4)弁理士との協働による知的財産の管理のサポート

 知財担当の方や顧問弁理士の先生と連携し、商標、意匠、特許の管理や権利保護について、法律面からサポートいたします。また、特殊な案件であれば、案件にマッチした弁理士事務所をご紹介できることもございます。

(5)事業承継の準備

 事業を次世代へバトンタッチするための準備も、弁護士がサポートいたします。
 親族に事業を承継する場合には、自社株式の生前贈与・遺言での譲渡(個人事業の場合、事業用財産の生前贈与など)など選択肢となります。
 これに対し、親族外に承継する場合(従業員や同業者)には、株式譲渡や事業譲渡などを検討することになり、御社の状況に最も相応しいスキームをご一緒に検討させていただきます。
 また、選択肢としては、合併や買収などのM&Aも候補に挙げ、御社の将来を見据えたプランを協議させていただきます。

3 当事務所の特徴

 当事務所では、取引交渉の支援(契約交渉バックアップ、契約書のレビュー)や、労務管理のコンプライアンスに注力し、事業展開の支援、トラブル予防の業務に当たって参りました。また、労災や残業代請求の主張に対し、経営者側の立場から、迅速な紛争解決にあたって参りました。
 奈良を中心とした関西の中小製造業の方々で、ご相談をご希望の方は、お気軽に、ご連絡ください。

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〒631-0824 奈良市西大寺南町8番33号 奈良商工会議所会館1階
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近鉄「大和西大寺駅」の中央改札口を出て、右方向(南側)に進み、地上まで降ります。
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その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。

自動車

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「大和西大寺駅」南側のバスロータリーより一つ手前の信号の右手に「奈良商工会議所会館」のビルがあります。
その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。

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