宿泊施設でのカスハラ 厚労省 改正旅館業法の運用方針を公表(宿泊拒否の具体例示す)
令和5年6月に成立し12月から施行される改正旅館業法により、旅館やホテルが、いわゆる「カスタマーハラスメント」を繰り返す客の宿泊を拒否することが可能となります。
10月10日、厚生労働省の検討会は、「改正旅館業法の円滑な施行に向けた検討会」のとりまとめを公表しました。配慮を求める障害者などの宿泊拒否につながらないように留意しながら、法律の運用方針、施設側が宿泊を拒否できる具体的なケースについてまとめています。
宿泊を拒否できるケースとしては、宿泊料の不当な割引きや契約にない送迎など他の宿泊者と比較して過剰なサービスを求める、自身の泊まる部屋の上下左右の部屋に宿泊客を入れないことを求める、特定の者にのみ自身の応対をさせることなどを求める、土下座などの社会的相当性を欠く方法による謝罪を求める、泥酔し長時間にわたる介抱を求める、対面や電話、メールなどで長時間にわたり不当な要求を行う、といった行為をそれぞれ繰り返した場合などが挙げられています。
一方で、障害のある人が、障害を理由に配慮を求める行為や、差別的な扱いを受けたことに対して謝罪を求めることなどは、宿泊拒否の対象にはならないとされています。
厚生労働省は、不当な宿泊拒否があった場合などの相談窓口を設置する方針で、今後、パブリックコメントで意見を募るとともに、法律の改正や運用方針の内容を分かりやすくまとめた資料を作成して、旅館やホテルの研修で活用してもらうことを考えています。