増えるメンタル不調者と対応策(会社と相続ニュース No.46 2026年1月号)

増えるメンタル不調者と対応策

1 はじめに

 社員がいきいきと働きやすい職場づくりをすることは、会社の成長に欠かせません。

 メンタル不調の社員が増えるということは、周囲の社員に仕事の負担が偏ることはもちろん、メンタル不調の社員を支えるために他の社員に負担や労力がかかり、新たなメンタル不調の社員が増えることにもつながりかねません。

 メンタル不調者の多い現代ですが、メンタル不調の社員が増加している会社では、会社自体に課題があることもよくあります。

 メンタル不調の社員が増える状況は、会社の発展にも大きく影響しますから、適切な対策をとることが求められます。

2 メンタルヘルスに関する現状

 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課が令和6年3月29日の「第1回ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」で提供した「職場におけるメンタルヘルス対策の現状等」によれば、次の事実が明らかとなっています。

 まず、精神障害の労災補償の認定件数は令和4年で710件と過去最多を更新し、平成14年から20年間の期間でみると7倍に増加しています。平成31年から令和4年でみても1.4倍の増加です。

 メンタル不調により連続1ヵ月以上休業した労働者がいる事業所の割合は、令和3年の調査では8.8%、令和4年の調査では10.6%に増加しています。また、メンタル不調により退職した労働者がいる事業所の割合は、令和3年の調査では4.1%、令和4年の調査では5.9%に増加しています。

 職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は、統計の取り方にもよるのではないかと思われるものの、令和4年の調査では8割を超えています。ストレスの内容は、①仕事の量、②仕事の失敗、責任の発生等、③仕事の質、④対人関係(セクハラ・パワハラを含む)の順となっています。

3 メンタルヘルス対策

 メンタルヘルス対策は、目的別でみると、①未然防止、②早期発見、③職場復帰支援に分類できます。また、実施主体別でみると、ア労働者自身、イ管理監督者、ウ産業医等、エ外部の専門家等に分類できます。

 具体的な取組としては、業種、職種によっても異なり、適切な労働時間の管理、職場におけるコミュニケーションの活性化、ストレスチェック、ハラスメント対策の推進など、様々です。会社にとって、より効果的な対策をとることが望ましいといえます。

4 休職制度

 休職制度は、ある社員について労務に従事することが不適当、不可能な事由が生じた場合に、会社が社員に対し、労働契約を維持しながら労務への従事を免除または禁止する制度です。

 休職制度を設けることは法律上の義務ではありませんが、会社にとっては業務の継続性を維持することができ、社員にとっても復職の機会を得ることができるため、多くの会社が休職制度を設けています。

 休職制度は、会社にとっても社員にとってもメリットの大きい制度といえますが、双方にとって重要な制度であることから、休職期間満了に伴う退職や解雇の有効性など、休職制度にかかわる法律上の論点が数多く存在します。

 休職制度に関する問題点については、紙幅の都合上、次号以降のニュースレターに譲ります。

5 最後に

 超高齢社会の人手不足時代、会社で働いてくれる社員は、会社の貴重な資源です。

 会社の発展は社員と共にある、そのように言っても過言ではありません。

 一人一人の社員を大切にして社員の最高のパフォーマンスを引き出す、そうすることで初めて、顧客に満足のいくサービスを持続的に提供することが可能となるでしょう。

執筆:弁護士 田辺美紀

あけましておめでとうございます!

 恭賀新春旧年中はたくさんの方にご愛顧いただき、誠にありがとうございました。

みなさまにとって2025年はどのような年でしたでしょうか。弁護士法人ナラハは弁護士一ノ瀬健伍を迎え弁護士6人体制となりました。社労士法人ナラハも設立し、順調に歩んでくることができました。これもひとえに皆様のおかげです。ナラハの旅路は5年目まっただなか。本年も変わらぬお引き立てと一層のご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。

代表弁護士 田辺美紀
■ コラム ■

~電車に乗る楽しみ~

 ウェブ会議が普及してきたとは言え、裁判所、行政機関、福祉施設など、現地へ赴く仕事も多くあります。運転免許がないため移動手段は主に電車で、時には1時間以上かかることもありますが、そんな私にとって、電車内で小説を読むことがひそかな楽しみです。

 最近では、アンソニー・ホロヴィッツの推理小説『マーブル館殺人事件』を読みました。ストーリーが面白く、あっという間に時間が過ぎ、まだ目的の駅につかないでほしいと思うこともある程です(ちなみに自宅などではそこまでの没入感が得られないのが不思議です)。

 ウェブ会議の活用により移動の手間が省かれ便利になった一方で、時間をかけての電車移動も悪くありません。

執筆:弁護士 林揚子


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