「同一労働同一賃金」に関する労働基準監督署と労働局の連携で何が変わる?(会社と相続ニュース No.19 2023年8月号)
- 2023年07月27日
- 会社と相続ニュースバックナンバー
「同一労働同一賃金」に関する労働基準監督署と労働局の連携で何が変わる?
1 「同一労働同一賃金」とは?
「同一労働同一賃金」とは、同一企業内のいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差を解消するための制度をいいます。
同一企業内の正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇差を解消することにより、いずれの雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、その結果、多様な働き方を選択できるようにするものです。
この制度ができたのは、働き方改革の一環として、いわゆる短時間労働者法が「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」に改正されたことによります。
2 行政の動き
厚生労働省では、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の均衡のとれた待遇を確保するため、同一労働同一賃金の徹底を図ることを行政施策としています。
具体的には、①労働基準監督官と都道府県労働局(以下「労働局」といいます。)の雇用環境・均等部に配置される指導員を増員するとともに、②労働基準監督署(以下「監督署」といいます。)と労働局の連携を強化し、同一労働同一賃金の履行状況の確認を実施する作業が本年3月から本格的に行われています。
3 監督署と労働局の連携の仕組み
監督署において同一労働同一賃金の履行確保に必要な事実関係の確認を行い、結果が労働局に情報として提供されます。そして、労働局において、法令に基づく報告徴収や働き方改革推進支援センターを活用した支援の要否等が判断されます。
不合理な待遇差等が疑われる場合、企業に対して報告徴収等を行って、同一労働同一賃金規制の履行状況を確認し、問題があれば助言・指導等を行い、改善を図っていくことになります。
4 実務への影響
企業が監督署による事実確認に応じない場合、不合理な待遇差がある疑いがあると労働局に情報提供される可能性があります。
企業においては、今後監督署や労働局から同一労働同一賃金規制の履行状況について確認されることを前提に、不合理と判断される可能性がある待遇差を洗い出し、待遇差の合理的な理由を説明できるようにしておく必要があります。
【ナラハQ&Aコーナー】退職金の財産分与
Q
夫は、2~3年後に定年退職する予定です。私は夫と離婚したいと思っているのですが、財産分与を請求するに当たり、退職前と退職後と、どちらの方が良いでしょうか。
A
離婚した場合、一方が相手方に対して財産の分与を請求する権利、財産分与請求権があります。財産分与の計算では、退職前の場合、同居期間中の退職金見込額を基準にすることが多いでしょう。退職後であれば別居時に存在する額ということになります。どちらが良いかは、ケースバイケースとなります。
詳しくは弁護士にご相談ください。
~休みの日のすごし方~
仕事が休みの日、どのようにすごされていますでしょうか。藤木は、予定がないと、昼からビール、映画を観ながら昼寝、というのがゴールデン・パターン。うーん、イケてません。なんとかしよう。
去年の秋から、コントラバスのレッスンに通いだしました。大学で始めたコントラバス。実のところ、レッスンは初めの数年間通ったキリ。社会人になってからは、「忙しい」を言い訳に、レッスンをサボっていました。
大学の後輩が声をかけてくれました。「レッスンの見学に来ませんか」。藤木の直観が幸運を告げています。後輩のレッスンについていきました。先生は、元大阪フィルハーモニー交響楽団のコントラバス奏者。テレビで、コンサート会場で、見たことある! 目の前でプロが弾くコントラバスの、なんと迫力のあることか。「本物や!」迷うことなく、藤木もレッスンを受けることにしました。
以来、休みの日のすごし方が、少しかわりました。「昼からビール」の前に、コントラバスの練習をするようになりました。・・・ん? あまり、かわってない・・・?