法務の整備、していますか?(会社と相続ニュース No.36 2025年3月号)

法務の整備、していますか?

1 法務の意義を再確認

 先日、スタートアップの企業様に対して、法務の基礎知識、気を付けたい点をお話しする機会をいただきました。

 この内容は、起業予定、起業したばかりであるか否かを問わず重要なポイントを含むと思いましたので、今回、簡単にご紹介させていただきたいと思います。

2 法務を整えていないと困る事態(主に、3つご紹介します)

(1)契約トラブル

 「契約書を交わす時に、中身をよく読んでいなかった。」

 日々の多忙な業務の中では、やむを得ない面もあるでしょう。しかし、認識していた期限に支払いがない、想定していなかった発注を受けるなど、困った状況に陥ることも少なくありません。

 契約書の意味と重要性をしっかり意識し、トラブルに対応できる、トラブルを最小限にするための契約を検討し、締結しておくことが求められます。

(2)従業員トラブル

 大きく分けて、会社と従業員の間のトラブル、従業員同士のトラブルが考えられます。

 会社のニーズと従業員の思いが合わないとき、トラブルが発生します。会社内に懸念材料があると、会社の業績にも悪影響が生じます。従業員同士でトラブルがある場合も、同様です。加えて、職場環境も悪くなり、他の従業員も含めてパフォーマンスが低下します。

 会社の成長のためには、困った事態にどう対処したらいいか、日頃から意識し、対策、マニュアル等を用意しておくことが重要です。

(3)カスハラ

 取り上げられるようになって久しい「カスタマーハラスメント」への対策を、会社に求める声は大きいです。従業員を守ることは、会社のブランド力向上、従業員の信頼確保に繋がります。

 顧客からの不当なクレーム等に対応するための社内研修を実施したり、対応フローを準備しておくことは、現代の会社に欠かすことはできません。

3 大切なのは、備えること

 企業様におかれましては、上記の困った事態に備えるために、下記のことにご留意いただきたく思います。

① 自分で情報を仕入れる?

 会社におけるトラブルへの対応方法をまとめた書籍を読むことには一定の意義があります。しかし、事案、状況は千差万別であり、ご自身が今置かれている状況にぴたりとあてはまることは稀です。情報といえばインターネット上に様々なものがありますが、信じるに足るか、その判断に困ることもあるでしょう。法律や裁判に関する記事を新聞や雑誌で読むということも一つの手ではありますが、ご自身の欲しい情報がすぐに得られるかという点では、心もとないでしょう。

② 専門家に相談する!

 「何かおかしいのではないか?」と思ったときに、専門家に相談してアドバイスを受けることが最も効果的です。特に問題でない、ということであればそれで解決しますし、もし問題があれば、適切な対応方法を知ることができるでしょう。

4 法務に関するご相談は、ナラハまで

 「おかしいのではないか?」「どうしたらいいのか?」という疑問が出てきたとき、ぜひ一度、お話をお聞かせいただければと思います。

 一見して法律問題でなくても構いません。お話を聞いていると、意外な盲点が見つかることもよくあります。問題点を把握し、対応方法をお伝えすることで、企業様と共に、リーガルマインドをさらに高めていくことができますと幸いです。

執筆:弁護士 市ノ木山朋矩
■ コラム ■

~「プロ」に習う~

 3年ほど前、元大阪フィルハーモニー交響楽団のコントラバシスト、石井先生と出逢いました。テレビで見ていた人に習うなんて不思議な気分。月1回レッスンに通うようになりました。石井先生は、アマチュアが弾かないような曲を次から次へと課題に! 「ひえー」と汗をかきながら、必死にくらいついています。毎朝わずか15分ですが、欠かさず練習。去年くらいからかしら。奈良交響楽団(藤木が所属するオーケストラです。)のメンバーから、「最近、音が大きく、とおるようになったね」と言われることが増えてきました。コントラバスは藤木以外にもメンバーがいるのに、違いが分かるようなのです。うれしい! そうなんです。藤木の音、かわったんです。プロに習うと、「そうだったのか」とか「もっと、早くしりたかった」とか目からうろこのTipsを教えてもらえる。実際に目の前で弾いてもらうと、イメージが分かる。一つ一つが数珠の指導なのです。つい先週のレッスンでも、「(藤木は)弓の毛、強く張りすぎやで」と。「え! そんなにゆるくていいんですね」。いやー、ゆるいと、弾きやすいではないですか。もっと、早く知りたかった! 師匠と対面でリアルに学ぶと、期待を超える気付きがいっぱいで、幸せです!

執筆:弁護士 藤木秀行

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