デジタル終活のすすめ(会社と相続ニュース No.38 2025年5月号)

デジタル終活のすすめ

1 デジタル遺産とは

 総務省の令和5年通信利用動向調査の結果(令和6年6月7日)によれば、スマートフォンでインターネットを利用する人は年々増加しており、20~59歳の各年齢層で約9割、60代で78.3%、70代で49.4%、80歳以上で17.8%となっています。

 遺産とは、人が亡くなったときに残された財産をいいます。現金、預金、動産、不動産のほか、借金等の負債も遺産です。

 「デジタル遺産」とは、一般的に、遺産のうち、亡くなった人がデジタル形式で保管していた財産のことをいいます。遺産のうち、金銭価値がないものについて、デジタル遺品と呼ばれることもあります。

2 インターネット利用における不安の一位は個人情報等の漏洩

 先の総務省の令和5年通信利用動向調査の結果によれば、インターネット利用者の約7割が、インターネット利用時に何らかの不安を感じています。

 インターネット利用における不安の内容の第1位は、「個人情報やインターネット利用履歴が外部に漏れていないか」です。ちなみに、第2位に「コンピュータウイルスに感染していないか」、第3位に「架空請求やインターネットを利用した詐欺にあわないか」と続きます。

3 デジタル遺産に関する相談事例

 独立行政法人国民生活センターは、次のような相談事例を紹介しています。

(1) 故人が利用していたネット銀行の手続をしたくてもスマホが開けず、ネット銀行の契約先が分からない。

:亡くなった兄は、生前にネット銀行で口座を開設していたようだ。契約先を確認するために、携帯電話会社の店舗でスマホの画面ロックを解除してほしいと依頼したが、「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われた。

(2) コード決済サービス事業者の相続手続きが一か月以上たっても終わらない。

:弟が突然亡くなった。以前、「コード決済サービスに数万円入金したが使っていない」と聞いていたので、相続の手続きについてカスタマーサポートに電話で尋ねた。指示に従って必要な戸籍謄本や住民票等を送付しているが、1か月たっても残高がいくらあるのかも回答がなく、何度尋ねてもお待ちくださいとしか回答がない。

(3) 故人が契約したサブスクの請求を止めたいが、IDとパスワードが分からない。

:夫が亡くなり、携帯電話を解約した。最近、クレジットカードの利用明細に、約1、000円の不明な請求があるのを見つけた。カード会社に問い合わせると、「スマホのセキュリティのサブスクではないか」と言われた。携帯電話のキャリアに相談すると請求元を教えてもらえたので、サブスクの事業者に問い合わせると、「すぐに解約するためにはIDとパスワードが必要だ」と言われた。わからないと答えると、「IDとパスワードがわからなければ、すぐには解約できない」と言われた。

4 デジタル終活のすすめ

 このようなトラブルを残さないために、次のような事前の対策が有効です。

 ①スマートフォンのパスワードを書いた紙を保管しておく。②契約中のサービスのID、パスワードを整理しておく。③エンディングノートを活用する。④自分が亡くなったあと、スマートフォンのアカウントにアクセスできる人を指名しておく。

 実際の相談の多くが、スマートフォンが開かないという内容とのこと。スマートフォンさえ開けば、デジタル遺品の調査はそこまで難しくないと言われています。

 インターネット利用における不安の第1位は個人情報の漏洩ですが、他方でデジタル遺産の事前の対策としては、相続人がスマートフォンを開けられるようにしておくことが重要といえるでしょう。この両方のニーズをうまく満たすことが、大切です。

執筆:弁護士 田辺美紀
■ 弁護士法人ナラハニュース ■
一ノ瀬健伍弁護士が入所弁護士が6名に!

ナラハに若手の新人が来た!

 新人弁護士には何事にもぶつかっていく体力が必要と考えますが、私の一番の長所はこのような体力です。

 弁護士になる前には、スーパーで日が変わる0時まで7時間の立ち仕事をした後に3月初めの寒空の中バイクで下道を片道3時間走り、大阪市の西の端から宇陀市の星空と桜を見に行ったことがあります。その後に、橿原の藤原宮跡の桜並木と菜の花を見て帰リました。別の機会には、朝4時半起きで大阪から岡山にゴルフをしに行き、ラウンドを回りました。ラウンド後は、私の中でルーティーンとなっているその日の反省をするための打ちっぱなしで、300球ひたすらに練習したりもしていました。このように、何をするにも体力勝負で全力で過ごしてきました。ですので、この体力を活かして全力で何事にもぶつかっていきたいとワクワクしております。

 このように心意気だけは一人前なのですが、ほとんど学生を終えたばかりの社会経験のない新人です。なので、皆様からの温かい言葉や厳しい言葉を糧に成長していきたいと思っております。よろしくお願いいたします

弁護士 一ノ瀬健伍
執筆:弁護士 一ノ瀬健伍

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