Q&A 従業員の退職にあたっての引継ぎと有給消化
- 2018年05月30日
- サービス業, 不動産業・アパート経営, 労使問題, 専門士業, 経営全般
Q 正社員が自己都合退職することになりましたが,その社員は,「退職届」の提出日から退職日まで,そのほとんどを有給申請しており,この日程では,業務の引継ぎがほとんど出来ません。そこで,有給休暇の時季指定権の行使や,退職を懲戒解雇に切り替えることを考えていますが,法的に可能でしょうか。
A たしかに,業務の引継ぎは,就業規則に規定された義務です。
しかし,退職日が迫っていて,残日数を消化できない場合,会社側から有給休暇の時季変更する余地はありません。
また,引き継ぎをしないことは,義務違反ですが,「懲戒解雇」に相当するような重大な責任があるとはいえませんので,訓戒などの懲戒処分ならともかく「懲戒解雇」とすることは選択肢にはならないと考えられます。
会社としては,就業規則に基づいて引き継ぎを要請し,また,退職日の調整を任意に求めるという方法にならざるをえないと考えられます。