契約書はオーダーメイド(会社と相続ニュース No.41 2025年8月号)
- 2025年07月30日
- 会社と相続ニュースバックナンバー
契約書はオーダーメイド
1 契約書を作る
契約は、原則として口頭で成立します。しかし、契約「書」を作ることは、“言った言わない”といった事態を避けるため、取引のあらゆる場面で重要です。
契約書は、オーダーメイドです。例えば、誠実協議条項ひとつを取ってみても、定め方にはヴァリエーションがあります。
2 誠実協議条項とは
一般的に、契約書に定めていない事項などについて、当事者間で認識の相違等が生じたときに、当事者が誠実に協議して決定することを定めた条項をいいます。ほとんどの契約書において、通常は最後のほうに設けられている条項であり、ご覧になったことがある方も多いことと思います。
定め方としては、次の2つのパターンをよく見かけます。
①本契約に定めていない事項については、甲乙間で、別途誠実に協議して定めるものとする。
②本契約に定めている内容の解釈について疑義が生じた場合には、甲乙間で、別途誠実に協議して解決するものとする。
さて、これらの誠実協議条項は、当事者に具体的な権利や義務を生じさせるものでしょうか。実務的には、そのようには考えられてはいません。誠実協議条項違反があっても、相手方当事者に対し強制的に誠実に協議させることはできませんし、損害賠償請求についても因果関係が認められるような損害はないと判断されることになるでしょう。
3 誠実協議条項を定める意義?
では、ほとんどの契約書に定められている条項であるにもかかわらず、このような合意をすることには、意味があるのでしょうか。この問いに対しては、次のとおり考えることができます。
(1) まず、契約時に想定していなかった新たな事態が発生した場合です。このような場合、通常、当事者が再協議し、新たに合意することで、その事態を解決することが望ましいでしょう。誠実協議条項には、新たな事態が発生した場合に、当事者の対応可能性を広げる役割があります。
(2) 次に、契約内容の解釈について疑義が生じた場合です。誠実協議条項には、協議を申し入れることへのハードルを下げると共に、申入れを受けた当事者に対しても協議に応じることを促す効果があります。
このように、いざ契約時に想定していなかった新たな事態が発生した場合や、契約内容の解釈について疑義が生じた場合に、円満な解決を目指すためには当事者同士が誠実に協議することが望ましく、このことを当事者双方が意識しておくという意味で、誠実協議条項には大切な意義があるのです。
確かに、誠実協議条項は具体的な権利義務を生じさせるものではないと考えられていますが、契約書には上記①②の内容を盛り込んだ形で入れておくことをお勧めします。
4 契約書は作り込むものです!
そもそも契約書は、当事者に権利義務を生じさせ、法的に拘束するものです。契約書を作成する目的は何か、その目的に応じた必要かつ相当な内容となっているか、契約書に違反した場合にどのようなペナルティがあるのかなど、緻密に検討し、丁寧に記載しておくことが求められます。また、上述したように、具体的な権利義務を生じさせない条項でさえ、様々な角度からの検討が必要です。契約書は、独特の言い回しや専門用語も多用されるため、専門家でない者が作成するのは容易ではありません。
(弁)ナラハでは、会社様ごとに個別のご事情を伺い、契約書を作成しています。これから契約書を作成しようと考えておられる方、現在使用している契約書に不安がある方など、契約書の作成を検討しておられる方は、ぜひ一度、弊所までご相談ください。
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