相続財産清算人って?(会社と相続ニュース No.42 2025年9月号)
- 2025年08月28日
- 会社と相続ニュースバックナンバー
相続財産清算人って?
1 相続財産清算人とは
相続人の存在・不存在が明らかでないとき(相続人全員が相続放棄をしたことにより結果的に相続する者がいなくなった場合も含む)に、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てることができます。
以前は、相続財産「管理人」との名称でしたが、令和5年4月1日施行の改正民法により、名称が相続財産「清算人」となりました。
2 相続財産清算人が選任される具体例
相続財産清算人の選任を申し立てる目的としては、①債権の回収、②特別縁故者であると主張する者が相続財産の分与を受けたい場合、③被相続人を含む共同相続人間で遺産分割協議を行いたい場合などがあります。
最近では、マンションに居住する人が増えたこともあり、相続人が不存在となるマンションの割合が増加しており、管理費や修繕積立金の回収を目的として、マンションの管理組合が申立人となるケースも増加しているようです。
その他、被相続人が生前、居住していた物件の賃貸人が、その明け渡しを求めるために申し立てることもあります。
3 申立てに必要な費用
相続財産清算人を申し立てるに当たり、収入印紙や郵便切手の他、予納金が必要となる場合もあります。
例えば、相続財産の内容からして、相続財産清算人の報酬を含む清算費用の財源が見込めない場合です。
清算費用の財源が見込めない場合とは、例えば、相続財産の中に、現金や預貯金等が全くなく、それ以外の財産が担保権の設定された不動産であるような場合や不動産の共有持分しかないような場合等です。
ただし、申立て段階で判明していなかった預貯金の存在が管理の途中で判明した場合等、相続財産清算人の報酬を含む清算費用の財源を確保できた場合には、清算終了前の段階で、事案に応じ、予納金が還付されることがあります。
4 手続きの流れ
相続財産清算人が選任された後の大まかな流れは、①相続財産清算人選任及び相続人捜索の公告(期間は6か月以上)、②①が公告されたのち、債権者・受遺者への請求申出の公告及び催告(期間は2か月以上、①の公告期間満了までに②の公告の期間が満了するように公告します)、③①の期間満了後、特別縁故者に対する相続財産分与の申立てがされることがあります(①の期間の満了後、3か月以内に請求する必要があります)、④報酬付与審判の申立、⑤残余財産の国庫帰属です。
相続財産清算人は、選任された後、適宜被相続人の財産及び債務等の調査、換価、債務の弁済等を行います。
5 最後に
相続財産清算人の申立てをすべきか否か、費用の点を含め検討する必要があります。
弊所では、相続財産清算人選任の申立てについてのご相談もお受けしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
おかげさまでナラハは5年目へ!

令和3年9月にスタートした弁護士法人ナラハは、おかげさまで設立5年目を迎えました。現在所属弁護士は6名。事務所の場所も、昨年4月に奈良商工会議所会館へ移転しました。ナラハの注力分野は【企業法務】【相続】【離婚】! これからも、所員全員、質の高いリーガルサービスを提供し皆様にご満足いただけるよう、研鑽に努めてまいります。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます!
