Q&A 取締役を辞任したが,登記が残ったままである場合
Q 私は,昨年,社内の経営方針の違いから,取締役を辞任することになりました。辞任届を提出し,取締役会からも承認されました。
しかし,先日,その会社の商業登記を見たところ,私の取締役登記はそのままになっていました。このままでは責任が生じるのではないかと心配です。
自分で登記申請することはできるでしょうか。
A 登記の申請は,原則として,会社が行うことになっています。そのため,まずは,会社に対し,内容証明郵便などで,辞任の登記をすることを求めてください。
会社側が辞任の登記に応じない場合は,訴訟を提起することが必要です。勝訴判決が確定すれば,判決に基づいて,原告であるあなたが登記を申請できます。
もし,登記を放置することをあなたが黙認していた,とみられると,会社の行為について,あなたが責任を負うことがありえます。そのため,状況によっては,関係先に対して,辞任した旨を通知することや,会社に対してあなたの名前を使わないよう求める仮処分を申し立てることが必要な場合もあります。
なお,あなたが取締役を退任することにより,取締役の員数が法令や定款で規定された員数を欠くことになる場合は,後任者の選任登記と同時でないと,退任の登記ができません。詳しくは弁護士にご相談ください。