Q&A 比較広告の留意点
Q 当社製品について,新しい広告を検討しています。具体的には,競合他社の製品よりも,機能性が高いという長所を強調する,いわゆる「比較広告」を考えています。もっとも,この当社製品は,使用上の容易性や耐久性の点では,競合他社の製品よりも,やや劣っており,この点は,短所ではあります。
このような製品について,「比較広告」をする場合,長所である機能性のみを比較しても,問題はないでしょうか。基準などがあれば教えてください。
A 比較広告については,公正取引委員会のガイドラインがあります。
適正な広告というためには,次の3つの要件を満たす必要があります。それは,①主張する内容が客観的に実証されていること,②実証されている数値や事実を正確かつ適切に引用すること,③比較の方法が公正であること,という要件です。
上記の①と②の要件は厳守するとして,短所に言及せず長所のみを比較する広告であっても,直ちに上記③の要件の「公正」でない,とはいえないと思われます。
もっとも,言及しない短所の内容や性格によっては,「商品全体の機能・効用」について,消費者に誤認を与える可能性が出てきます。例えば,長所と一体の関係にある短所について,短所に全く言及しない場合は,その長所自体について誤解が生じることになりえます。
不当表示となった場合には,行政庁からの法的措置を受ける可能性があるだけでなく,消費者からの信頼を失うなどリスクが非常に大きいですので,慎重に検討されることをお勧めします。詳しくは,ご相談ください。