Q&A 新型コロナウイルス関連(発熱と休業)
Q 当院は医療機関ですが、あるスタッフから「熱が37度5分以上あるが、風邪薬を飲めば仕事ができると思う。出社してよいか。休みになる場合は、休業手当は出るのか」と質問されました。
A このような質問は増えており、現場で難しい判断を迫られていることと存じます。あくまで私見ですが、お尋ねの事案では、休業手当は出ない休み(欠勤)という扱いが妥当であると思われます(もちろん、年次有給休暇の取得は自由です 。また、事業主側の判断で、従業員側に有利な待遇をすることは可能です。)
現時点の新型コロナウイルス肺炎に関する情報を前提とすれば、仮に、医療機関のスタッフさんに、熱が37度5分以上ある場合には、「医療機関のスタッフとしては労務の提供が可能」とはいえない、と考えられます。使用者側の自主的判断による自宅待機ではありませんので、出勤扱いにはなりません。
なお、「風邪薬を飲めば仕事ができる」という言葉を、そのまま真に受けて、業務に従事させるのは、患者さんや利用者との関係で大きなリスクがありますし、スタッフ全員(当該スタッフを含めて)に対する関係で安全配慮義務に違反することになる可能性があります。
現場では微妙な判断が迫られることが多いですが、現時点で、一律の基準はないと思われます。行政機関の情報や、産業医の指導、法律専門家の助言などを踏まえて、事業主が適時ご判断されるべき事柄であると考えます。
*本稿は、令和2年3月4日に作成したものです。