会社を残す!(会社と相続ニュース No.1 2022年1月15日号)
- 2022年01月15日
- 会社と相続ニュースバックナンバー
会社を残す!
1 がんばる社長
中小企業経営者の年齢が上がっています。1995年(平成7年)、経営者年齢のピークは47歳でした。それが、2015年(平成27年)には66歳に。20年間でおよそ20歳シフトしました。(2016年版中小企業白書)
70歳代、80歳代を合わせると、5割を超えるというデータもあります。私どものところでも、事業承継のご相談が増えてきました。会社を残す動きが、本格化してきているようです。
そこで、今回は、会社を残すために、考えたいポイントをご案内いたします。
2 譲渡する対象
まず、①株式譲渡、②事業譲渡、③資産譲渡、これら3つの違いを整理しましょう。
会社を譲渡するという場合、一般的には①株式譲渡をさします。文字通り、譲渡の対象が株式というものです。「親が亡くなり、子が会社を継いだ」という場合も、一般的には株式を相続したことをさします。
異なる点は、「実印」と「印鑑証明書」がない、という点です。
②事業譲渡は、一般的には株式の譲渡を伴いません。会社から「事業」を切り出し、「事業」のみを譲渡の対象とします。営業譲渡も同義です。
③資産譲渡は、会社の資産を個別に譲渡するものです。具体的には、不動産を売ったり、知的財産権を売ったりするものです。資産を売却(処分)するので、会社の清算になじむように思われます。
会社を残すという観点からは、①②が選択肢になるでしょう。
3 譲渡する相手方
相手方としては、(a)親族(身内)、(b)従業員、(c)第三者の3つが考えられます。
子や孫に会社を継がせる、というのは(a)です。後継者不足が問題となる中、継いでくれる(a)親族(身内)がいる、というのは、幸せなことなのかもしれません。
(b)従業員に継がせる、というのも有力な選択肢です。なにより、会社の事業に精通しています。有能でやる気があれば、検討に値するでしょう。問題は、株式を買い取る資力があるか、という点でしょう。
(c)第三者に、というのがM&Aです。「M&Aって、大企業の話でしょう」と思われるかもしれません。いえ、そんなことはありません。「同業者に取引先と従業員を引き取ってもらった」という話、聞いたこと、ないでしょうか。これもM&Aなのです。
M&Aは、①株式譲渡によるものと、②事業譲渡によるものとがあるのです。②事業譲渡にも、既存の会社に譲渡するものや、第2会社を作って第2会社に譲渡するものなどがあります。
4 大切にしたいものがなにか
なぜ、会社を残したいのか。動機は様々でしょう。士業がサポートするにあたり、大事なのは、「経営者が大切にしたいものはなにか」。これを把握することだと思います。
大切にしたいものと言っても、多岐にわたります。例えば、従業員の雇用か、のれんか、取引先やお客様か、地域社会の信用か、それとも、経営者の個人保証を外すことか。
これらを把握してこそ、最適な解を見つけられる。
私は、そのように感じています。経営者が「会社を残したい」と思っていても、結局のところ、「個人保証を外すことができれば、それでいい」ということが分かれば、無理して会社を残さず、破産する、という選択肢もあるのです。
士業にとって大事なのは、経営者の動機、経営者が大切にしたいものに寄り添うことだと思います。
~我が家のハリー・ポッター~
昨年の12月、テレビでハリー・ポッターの映画を再放送していたのを見て、感化された我が家の元気な男の子たち(11才、9才、6才)。余った紙を使って魔法の杖を作り、「アクシオ(来い)!」「レダクト(粉々)!」「ステューピファイ(失神)!」「インセンディオ(燃えよ)!」「ヴェンタス(吹き飛べ)!」などと言いながら(私にはまったくチンプンカンプン)、布団をひっくり返したり、ベッドの上で飛び跳ねたり、床を転げまわったり・・・!
そしてクリスマスイブにサンタクロースからきたプレゼントは、なんと「魔法の杖」! そこで、子どもたちのおねだりに付き合うことにした我が家は、新年早々、“アルバス・ダンブルドア”“ハリー・ポッター”“ハーマイオニー・グレンジャー”の杖を持って、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のハリー・ポッターエリアを目指したのでした。USJの開始時刻前に入場し、開始と同時にハリー・ポッターエリアへ! 子どもたちは、ホグズミード村で魔法の杖を振りながら呪文を唱え歩き、ホグワーツ城内を巡り、レストラン「三本の箒」では大皿料理を食べて甘いバタービールを飲み、すっかりハリー・ポッターになりきって大満足!
おみやげは「伸び耳」「カエルチョコレート」「爆発ボンボン」「百味ビーンズ」。なかでも「百味ビーンズ」の「腐った卵味」「ゲロ味」「ミミズ味」は、その名のとおりの味ですが、どんな味か興味があれば、ぜひお試しください!