大雪の場合、通勤費や休業手当はどうなる?(会社と相続ニュース No.14 2023年3月号)

大雪の場合、通勤費や休業手当はどうなる?

1 不要不急の外出を控える呼びかけ

 今年の1月下旬の全国的な寒波と大雪の予想により、国土交通省及び気象庁から、「不要不急の外出」を控えるよう呼びかけられました。

 そのような中、奈良県でも雪が降り、京都市内では、急激に降り積もった雪の影響で、JR 京都線や琵琶湖線の列車が「立ち往生」となり、乗客が車内に長時間閉じ込められる事態が発生しました。

 車内に閉じ込められた乗客は、会社から帰宅途中の人もいました。

2 大雪の場合の通勤費

 今回のように、大雪の影響を受け、公共交通機関の乱れが生じ、従業員が通常の通勤経路、手段以外で通勤を行った場合、賃金規定等で交通費が定められている会社は、別途交通費を支払う必要があるのでしょうか。

 ①債務を履行するための費用は債務者の負担となるのが原則であり、②労働者の使用者に対する労務提供義務もこれにあたるため、③出勤するためにかかる費用は、労働者が負担すべきものと考えられます。

 したがって、大雪の影響で、通常の通勤経路、手段を利用できなかったとしても、使用者は原則として、別途交通費を支給する必要はないこととなります。

3 早退した、させた場合の休業手当

 では、大雪により交通機関が乱れており、その影響で遠方から通勤している従業員が帰宅難民とならないように早退させた場合、会社は休業手当を支払う必要があるでしょうか?

 そもそも、従業員自身は、所定労働時間については勤務する義務がありますが、帰宅難民となることを避けるために、従業員自身の判断で早く退社することを会社が認めること自体には問題はありません。

 そのような取り扱いを利用して、所定労働時間の勤務を行わなかった場合、本人都合と考えられます。

 したがって、ノーワーク・ノーペイの原則により、無給となります。

 ただし、本人から有給休暇取得の申出があった場合は、会社はそれを認めるという方法をとることもできます。

 一方、会社判断で従業員を早退させた場合には、会社都合による休業と同視でき、休業手当の支払いが必要となると考えられます。

4 このように、大雪が降ると、会社と従業員の間で様々な問題が生じます。

 あらかじめ取扱いを定めておくとともに、会社と従業員双方の間で、認識を共有しておくことがトラブルの回避に役立ちます。

執筆:弁護士 林揚子

【ナラハQ&Aコーナー】

配偶者(夫又は妻)から離婚するよう迫られ、仕方なく離婚届けにサインをして家を出ました。相手からは「あなたに渡す財産は無い」と言われているのですが、このまま泣き寝入りするしかないのでしょうか?

 

A 

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回答:弁護士 市ノ木山朋矩
■ コラム ■

~貧乏への耐性~

 貧乏は経験しないに越したことはありません。しかし、貧乏の経験は役に立つこともあります。今回は藤木が 経験した貧乏の話をしたいと思います。小学生の頃のことです。当時、父が起こした会社が手形不渡りを起こしました。このときのこと、40年も前のことなのにいまだ父は話さないので、詳細は分からないのですが、部下が手形を乱発して現金を横領。発覚後、自殺して逃げたらしい。その手形が反社会的勢力の手に渡ったのです。拉致など当たり前の時代。その回収は熾烈だったようです。「今日食べるものがない」「外に着て行く服がない」をリアルに経験。この頃の家は、藤木にとって貧乏のどん底でした。その頃に経験したできごとの一つ、「弁当事件」。夏休み中の登校日のことでした。給食がないので、弁当を持っていきました。この弁当をのぞきこんだ同級生の表情たるや、「残飯ですか」。とっさに、ふたで弁当を隠しました。みじめでした。

 同じような経験は二度としたくありません。しかし、あのときの経験が、人から恰好良く見られたいという見栄を手放すきっかけになったような気がします。貧乏への耐性は、人生を勇気をもって生きていくために、役に立っています。

執筆:弁護士 藤木秀行

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