育児・介護休業法 改正ポイント(会社と相続ニュース No.3 2022年3月15日号)

育児・介護休業法 改正ポイント

1 令和3年改正育児・介護休業法

 令和3年6月9日、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」が公布されました。

 改正の概要は次のとおりです。①男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設 ②育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の通知・意向確認の措置の義務付け ③育児休業の分割取得 ④育児休業の取得の状況の公表の義務付け ⑤有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和 ⑥育児休業給付に関する所要の規定の整備

 今回は、改正法の背景事情と令和4年4月1日から施行される内容について、簡単にご紹介します。

2 妻の就業継続と夫の家事・育児時間

 第一子出生年別にみた第一子出産前後の妻の就業変化について、2010年から2014年中に出産した女性の就業変化をみますと、就業継続(育休利用)28.3%、就業継続(育休なし)10%、出産退職33.9%、妊娠前から無職23.6%、その他・不詳4.2%となっています。これを、出産前有職者を100として割合を算出すると、出産後の継続就業率は53.1%となっており、約5割の女性が出産・育児により退職していることが分かります。

 退職理由をみますと、「両立の難しさで辞めた」が41.5%、「転勤等で就業継続が困難」が26.2%となっています。

 女性の継続就業・出産と男性の家事・育児時間の関係をみますと、日本の夫の家事・育児関連時間は、6歳未満児のいる家庭について、家事関連時間全体で1時間23分、育児の時間で49分と、国際的にみても低水準にあります。その上で、夫の平日の家事・育児時間別にみた妻の出産前後の継続就業割合と、夫の休日の家事・育児時間別にみた第2子以降の出生割合をみますと、夫の家事・育児時間が長いほど、妻の継続就業割合が高く、また、第2子以降の出生割合も高い傾向にあります。

3 男性の育児休業取得の状況

 育児休業取得率は、男女で大きな差が存在します。男性の育児休業取得率は、令和元年で7.8%と上昇傾向にはありますが、未だ低い水準にとどまり、その期間も約8割が1か月未満となっています。

 育児休業の取得を希望していた男性のうち約4割が、利用を希望したができなかったという現状があり、その理由には業務の都合や職場の雰囲気などが挙げられています。

4 令和4年4月1日施行内容

 前述のような背景事情を踏まえ改正法が公布され、まずは1で述べた②と⑤が令和4年4月1日から施行されます。

 ②は、雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化です。これにより、事業主は、ア研修の実施 イ実質的に対応可能な相談窓口の設置 ウ自社の育休取得事例の提供 エ制度と育休取得促進に関する方針の周知の、いずれかの措置を講じる必要があります。この措置は、複数講じることが望ましいとされています。また、妊娠・出産(本人または配偶者)の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置が必要になりました。もちろん、取得を控えさせるような形での周知や意向確認は認められません。

 ⑤は、有期雇用労働者の取得要件の緩和です。現行は休業取得要件が、ア引き続き雇用された期間が1年以上 イ1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない となっていますが、アの要件が撤廃されイのみなるため、会社によっては就業規則の変更が必要です。就業規則の変更は、令和4年4月1日までに行う必要があります。

執筆:弁護士 田辺美紀
■ コラム ■

~テレビをより楽しむ~

 最近、部屋のテレビのリモコンが効きにくくて、困っています。テレビを愛する僕にとっては、ゆゆしき事態です。

 電池の問題ではないようです。効きが悪いのは電源ボタンだけで、音量やチャンネル変更のボタンは難なく反応します。原因はいろいろ考えられますが、結局は、リモコン内部の接触不良に集約されるようです。

 接触不良を解決するには、リモコンの分解なるものが必要です。しかし、ドライバーでネジを緩めれば「パカッ」と外れる…という単純なものではありません。隙間にマイナスドライバーを挟んでこじ開けるなど、なかなかに危なっかしい方法がネットに載っています。一旦外せたとして、元に戻せるのか、もっと悪くなるのでは、とマイナスの想像ばかりしてしまいます。

 さて、今どういう状態にあるかというと、まだ、事態は好転していません。リスクを取るよりも、頑張ってボタンを押し続けるという道を選び続ける日々です。効きにくいとはいえ、最後には電源が入るため、「今日もいけた。やれやれ、手間を取らせてくれたな」で終わっています。こうやって、テレビと格闘して電源が入ると、その後に見るテレビの面白さ、ありがたみが倍増する気がしており、これはこれで悪くないと考えています(ただ、テレビを消すのも一苦労であり、そこは、歯痒いところです。)。

 『ピンチをチャンスに変える』

 やはり、少し違う気はしますが、物は考え様と思い、今日もテレビ放送を楽しんでいます。

執筆:弁護士 市ノ木山朋矩

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