Q&A テレビ会議による取締役会と議事録

 

Q 当社は、社内会議のほとんどをテレビ電話システムを利用するようになりました。取締役会についても、テレビ会議システムを利用しても、法的に有効でしょうか。また、議事録の作成について、注意点はありますか。

 

A  テレビ会議システムを利用し、取締役会を開催することは可能です。 従来から、良質な通信環境のテレビ会議システムであれば、テレビ会議システムでの参加であっても、取締役会の「出席」と扱うことに問題はないとされてきました。

 法務省の説明によると、「取締役間の協議と意見交換が自由にでき、相手方の反応が良く分かる場合、すなわち、各取締役の音声と画像が即時にほかの取締役に伝わり、適時的確な意見表明が互いにできる仕組み 」 (注)である必要があります。(注)法務省民事局参事官室「規制緩和等に関する意見・要望のうち、現行制度・運用を維持するものの理由等の公表について 」(平成8年4月19日 )

 なお、取締役会の議事録には、テレビ会議システムで「出席」した取締役については、その「出席の方法」を記載する必要があります(会社法施行規則101条3項1号)。
 たとえば、出席取締役の氏名の後ろに、「テレビ会議システムによって参加」と付記します。

 また、議事録には、「上記の適時的確な意見表明が互いにできる」の要件があったことを確認した事実を記録に残すため、「出席者が一堂に会するのと同等に、テレビ会議システムは、開会から閉会に至るまで、適時的確な意見表明が互いにできる状態にあった」旨の条項を入れることをお勧めします。


雇用調整助成金の助成率の変更等について


 

雇用調整助成金の特例措置が更に拡充され、助成率が変更されることになりました。

また、「雇用調整助成金支給要領」については、令和2年5月1日版が公開されています。

詳しくは、厚生労働省ホームページをご参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

(従前、当事務所のニュースレター等でご案内しておりました条件や助成率から、変更がなされるものです。詳しくは、上記厚生労働省ホームページをご参照ください。)


厚生労働省HPの新型コロナウイルス関連 Q&Aについて


 

厚生労働省のHPには,企業向けにQ&Aが掲載されており,随時,アップデートされています。最新の有益な情報が掲載されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html


改正民法(債権法分野)が施行されました。


 

令和2年(2020)4月1日から,新しい民法が施行されました。

消滅時効,保証,法定利息については,特に注意が必要です。制度の概要については,法務省が関連パンフレットを出していますので,ご参考にしてください。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html

個別の事案に関する適用については,当事務所へお問合せください。


Q&A 新型コロナウイルス関連(在宅勤務、テレワーク)

 

Q 当社は、今回初めて、従業員を出勤させず、自宅でオフィスワークをさせたいと考えています。どのような注意点があるでしょうか。就業規則には、自宅勤務の規定は全くありませんし、事業場外のみなし時間制もとっていません。

A 就業規則に規定がなくとも、自宅での勤務を命じることはできると考えられます。新型コロナウイルスの流行の状況からすると、安全配慮義務を果たす点でも意義があります。自宅での勤務に支障がある従業員もおられるでしょうから、意向を確認することは大切だと思います。

 注意すべきことは、労働時間の管理です。オフィスワークの場合、始業時刻と終業時刻は、従来どおりとし、電話やメールで業務開始と終了を連絡する、という方法が現実的です。あくまで例外的な取扱いですので、自宅勤務の期間は、可能な限り、時間外労働はさせないほうが無難と思われます。やむをえず、時間外労働を命令する場合には、労働時間管理を徹底するため、「残業申請書・命令書(兼報告書)」などの書式を利用することをお勧めします。

 なお、関連する質問として、従業員側から「高熱があるが、家で仕事をしたい。自宅勤務にしてほしい」と希望が出る例があります。安全配慮義務の観点からは、高熱がある以上、業務に従事させることはできません。本人の申し出があったとしても、業務を命じると、安全配慮義務違反になる可能性がありますので、そのような命令は出すべきはないと考えます。


Q&A 新型コロナウイルス関連(発熱と休業)

 

Q 当院は医療機関ですが、あるスタッフから「熱が37度5分以上あるが、風邪薬を飲めば仕事ができると思う。出社してよいか。休みになる場合は、休業手当は出るのか」と質問されました。

A このような質問は増えており、現場で難しい判断を迫られていることと存じます。あくまで私見ですが、お尋ねの事案では、休業手当は出ない休み(欠勤)という扱いが妥当であると思われます(もちろん、年次有給休暇の取得は自由です 。また、事業主側の判断で、従業員側に有利な待遇をすることは可能です。)

 現時点の新型コロナウイルス肺炎に関する情報を前提とすれば、仮に、医療機関のスタッフさんに、熱が37度5分以上ある場合には、「医療機関のスタッフとしては労務の提供が可能」とはいえない、と考えられます。使用者側の自主的判断による自宅待機ではありませんので、出勤扱いにはなりません。

 なお、「風邪薬を飲めば仕事ができる」という言葉を、そのまま真に受けて、業務に従事させるのは、患者さんや利用者との関係で大きなリスクがありますし、スタッフ全員(当該スタッフを含めて)に対する関係で安全配慮義務に違反することになる可能性があります。

 現場では微妙な判断が迫られることが多いですが、現時点で、一律の基準はないと思われます。行政機関の情報や、産業医の指導、法律専門家の助言などを踏まえて、事業主が適時ご判断されるべき事柄であると考えます。

*本稿は、令和2年3月4日に作成したものです。


新型コロナウイルス流行への対応についての顧問弁護士のサポート


 

 新型コロナウイルスの流行に対応し、当事務所は下記業務に重点的に対応しております。お問い合わせください。

【人事労務】

人事ご担当者や顧問社労士と連携し、円滑な対応をサポートします。

・従業員休業のルール策定と運用

・テレワークや時差出勤の導入 

【経営リスクマネジメント支援】

役員会や対策本部を、法的にサポートします。

・広報対応方針

・事業所の再編、縮小

【事業支援】

状況整理や、方針検討、契約の再交渉をサポートします。

・顧客や取引先、金融機関への告知説明

・契約関係の見直し


新型コロナウイルス流行への対応②(取引先への対応)

 

 例えば、中国からの仕入れが困難となったことが影響し、取引先への納品期限を守れなくなり、契約違反の状態になる、というケースが考えられます。このような場合、どのように対応すべきでしょうか。

 まずは通常の取引上のトラブルと同様に、損害発生を抑えるため、取引先と協議し、打開策を探すことになります。契約条件を変更することや、継続的契約であればいったん合意解約することも考えられます。

 そのような協議がまとまらず、取引先との間で法的トラブルになった場合は、契約書の解釈がテーマとなります。「契約書」の中の「不可抗力」や「損害賠償」の規定の解釈がテーマとなります。標準的な契約書には、「天災地変、その他の不可抗力」の場合は、「責任を負わない」と規定する例が多いと思われます。

 日本法では、帰責事由がない場合、損害賠償責任を負わないとなっています(民法415条)(ただし、金銭債務を除く)。個別事案では、ケース・バイ・ケースの判断になりますが、責任を負わないとするためには、債務の性質や取引状況などを踏まえて、責任がないことを示す「客観的資料」を整える必要があると思われます。

(上記コラムは、2020年2月18日に作成したものです。)


新型コロナウイルス流行への対応①(従業員への対応)

 

 従業員から、発熱があって感染の不安があるとして、休みの希望があった場合、どのように対応すれば良いでしょうか。

 まず速やかに都道府県の「帰国者・接触者相談センター」に相談し、医師の診察を受けるよう、従業員に指示することになります。

 感染の有無の結果が判明するまでの期間については、従業員の側から有給休暇の取得希望がある場合は、有給休暇を利用します。また、状況に応じ、病気休暇や休職制度を利用する方法が考えられます。

 医師の診察によって勤務が可能と判断された場合に、使用者側の自主的な判断で、自宅待機を命じる場合は、休業手当を支払うことが必要です。

 もし、感染が判明した場合は、感染症法に基づいて就業制限が行われますので、それに従うことになります。

(上記コラムは、2020年2月18日に作成したものです。)

厚生労働省のHPでは、企業向けのQ&Aが公開されています。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html



残業代の時効期間の制度変更について


 

 各種ニュース報道(2019年10月20日)によりますと,厚生労働省は,賃金の請求権(残業代も含まれます)の時効期間を,現在の2年間から,「3年」に変更する方向で検討に入ったと報じられました。

 従前から,関係者の間の予測では,2020年4月施行の民法改正にあわせて,5年になるという見込みが指摘されていましたが,いわば経過措置のような形で,3年という制度が導入されるようです。

 その具体的な時期等については,まだ明らかではありません。また,近い将来,5年となる可能性は依然高いといえます。

 今後も,改正情報には十分にご注意ください。


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