Q&A 従業員の退職にあたっての引継ぎと有給消化

 

Q 正社員が自己都合退職することになりましたが,その社員は,「退職届」の提出日から退職日まで,そのほとんどを有給申請しており,この日程では,業務の引継ぎがほとんど出来ません。そこで,有給休暇の時季指定権の行使や,退職を懲戒解雇に切り替えることを考えていますが,法的に可能でしょうか。
A たしかに,業務の引継ぎは,就業規則に規定された義務です。
しかし,退職日が迫っていて,残日数を消化できない場合,会社側から有給休暇の時季変更する余地はありません。
また,引き継ぎをしないことは,義務違反ですが,「懲戒解雇」に相当するような重大な責任があるとはいえませんので,訓戒などの懲戒処分ならともかく「懲戒解雇」とすることは選択肢にはならないと考えられます。
会社としては,就業規則に基づいて引き継ぎを要請し,また,退職日の調整を任意に求めるという方法にならざるをえないと考えられます。


Q&A 同族会社の取締役の退任と「退職金」


 

Q 当社は同族会社で,役員と従業員を合わせて20名程度です。このたび,ある取締役がトラブルもあって退任することになったのですが,退職金の請求を受けました。
 どのように対応すればよいでしょうか。
 なお,当社の定款には,取締役の退職金の規定はありません。前例としては,30年ほど前に,株主総会決議で退職慰労金を支給した例が1回あります。今回は支給の予定はありませんし,支給する話をしたこともありません。
A 取締役の退職金は,定款の規定や株主総会の決議がない限り,発生しません。その旨を説明し,ご主張には応じかねます,と対応するのが基本方針だと思われます。
なお,退任取締役が自分は「従業員」としても勤務していた(いわゆる「従業員兼務取締役」)と主張し,従業員としての退職金を請求してくることも考えられます。その場合は,「従業員」といえるのか否かが争点となります。
詳しくは,弁護士にご相談ください。


Q&A 訪問介護サービスと「労働時間」

 

Q 訪問介護に従事しているホームヘルパーの「労働時間」ですが,事業所から利用者さんの家までの移動時間は,「労働時間」に入るのでしょうか。もし,含まれるとすると,残業代の計算はどうなるのでしょうか。
A ホームヘルパーさんの場合,移動時間も「労働時間」に含まれます。利用者様宅への移動は,介護業務のために必要なものですし,使用者から命じられて行うものだからです。
そのため,残業代についても,移動時間を含めて,1日8時間・週40時間を超えているか否か,という判断を行うことになります。


Q&A 介護事故(利用者同士のトラブル)


 

Q 当社の介護施設で,利用者同士で突然ケンカになり,一方の利用者さんが暴力を振るわれ大きなケガをしました。当社が損害賠償などの法的責任を負うことはあるでしょうか。
A 原則としては,ケガの責任は加害者である利用者さんが負うことになりますが,この事故について,事業者に予見可能性と結果回避可能性がある場合は,安全配慮義務違反となって,御社も法的責任を負うということはありえます。
ケース・バイ・ケースですので,詳しくは弁護士にご相談ください。
なお,このような場合に備えて,「賠償責任保険」に加入されていると思いますので,保険の条件などをご確認ください。


契約書作成(販売店契約書,代理店契約書)


 

外国企業との間での,販売代理店契約についてのご相談がありました。
経営者同士に人的信頼関係があり,かねてから紹介関係にありましたが,正式に契約する場合,そもそも,どのような契約方法が適切であるのか,という観点からのご質問がありました。
そこで,弁護士から,大きく分けて「販売店方式」(売買契約)と「代理店方式」(委任関係)の2種類があること,そして,それぞれのメリットやデメリット,留意点をご説明しました。
そのうえで,弁護士が様々な事情をお聴きしながら,原案を作成したしました。
その原案をもとに当事者同士で話し合いをされ,原案を一定程度修正のうえ,契約を締結されました。

<補足>
この事例のように,ビジネスの内容や関係性を踏まえて,最適な契約方法を,弁護士がご提案することができます。


契約書作成(秘密保持契約書・NDA)

 

旅行代理店様が,業務提携の交渉にあたり,先方企業から「秘密保持誓約書」の差し入れを求められました。定型書式のようでしたが,秘密対象となる「情報」の範囲があまりに広く,また双方対等の立場を貫きたいという経営者のご希望から,ご相談がありました。弁護士が,事情をお聴きしたうえ,双方対等の「秘密保持契約書」を作成し,提示方法をアドバイスいたしました。その結果,スムーズに「秘密保持契約書」を先方企業と締結でき,業務提携交渉に入りました。

<補足>
近時,業種を問わず,「秘密保持契約書」(Non-disclosure agreement)の締結を,商談や取引交渉の前提とする例が増えています。
一般に,書式は提示する側に有利な条項となっていますので,将来不測のトラブルを生まないよう,丁寧に検討することが大切だと思われます。

当事務所では,「秘密保持契約書」については,顧問契約の範囲内で,検討・作成・提示方法のアドバイスを致しております。


契約書作成(製作請負契約書)


 

メーカーからのご依頼でした。特殊な機械を個別注文で製作することになったが,原材料の供給の方法・時期,受入検査の場所など特殊な条件が多く,普段は契約書を作成していないものの,今回は契約書を作りたいとのご希望でした。そこで,仕入先受注元や仕入先から受け取っておられる各種書類や取引慣行をお聞きしながら,「製作請負契約書」を起案しました。
当方の原案に対し,相手方から多数の修正意見が述べられ,これに対して,応じる部分と応じられない部分とを切り分け,再度修正案を提示する,というタスクを繰り返し,最終的には契約締結に至りました。


契約書作成(定期借家契約)


 

定期借地で土地を借りている土地の上に店舗を所有している企業からの相談でした。
店舗の一部を,「定期借家契約」でテナントに貸し出す予定であるが,立ち退きや原状回復の条件について,借主側との間で意見の開きが大きい,という点に悩んでおられました。
そこで,双方の要望を踏まえ,弁護士が「定期借家契約」を起案しました。その結果,借主側の納得も得られ,契約締結に至りました。


苦情・問い合わせ対応(医療機関)


 

クリニックの患者さんから主治医の先生に対し,治療方針やカルテの記載について,何度も質問があり,主治医の先生は,時間外に3度説明の機会を設け,説明を繰り返されていました。しかし,その後さらに,親戚という方と一緒に同行され,主治医の先生を相当時間にわたって詰問するという出来事がありました。
業務に影響が出るおそれがあったため,クリニックから弁護士に依頼がありました。
経緯や証拠を検討した結果,「弁護士同席」のうえ,もう一度,治療やカルテの記載に問題がないことを説明する,という方針に決まりました。そして,弁護士名で,患者さんに通知したうえ,面談の機会を持ちました。面談では,弁護士が代理人として,法的な面について,説明をいたしました。
その後,苦情などは無くなりました。


Q&A 従業員の不祥事(業務外の刑事事件)


 

Q 従業員が,休日に,交通事故を起こし,被害者のケガが重く,逮捕されました。会社としては,どうすればよいでしょうか。
A まずは,家族や弁護人を通じて,情報収集することになります。逮捕されてからおおむね23日以内に,起訴・不起訴が決まります。起訴された場合は,家族や弁護人から,保釈に協力して欲しいと会社に依頼される場合があります。前もって,会社として,協力するのか,それとも静観するだけなのかを検討しておくほうが良いと思います。
起訴されただけで懲戒処分とすることはできません。懲戒処分については,裁判所の判断の後に,就業規則に則って,慎重に決定すべきです。
業務外の事件とはいえ,会社の社会的責任が問題となるケースでは,被害者対応を含めて,方針を検討する必要があるでしょう。


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