残業代の請求に関するトラブルは依然増えています。お金を請求される事案ではありますが、上司や職場への不満が根底にあるケースが多く、トラブル対応にあたって、感情論や人間関係が影響することが多いのが特徴です。
以下、典型的なケースを想定し、弁護士がどのように事案に対応するのかをご説明します。
内容証明郵便などが会社に届き、書面で「残業代の支払いを請求」される場合です。前触れもなく突然届くことが多いように思います。
最も多い流れは、
というものです。
従業員さんが労働基準監督署に相談されることで始まります。労働基準監督署は、行政機関として、会社に対し、「時間外労働があったのであれば、残業代を支払うように」という趣旨の指導をすることがあります。
もっとも、金額の交渉や合意書の作成などは、あくまでも会社と従業員の間で行うことになります。そのため、結局、上記(1)の請求書が届くパターンと同じ流れで進んでいきます。
「請求書」が届いた後の会社側の望ましい対応をご説明します。最初にすべきは、資料の収集です。就業規則、タイムカード、週報など、その従業員の労働時間と関係する資料一切を集めます。
そして、勤務実態を検討します。例えば、夜12時まで仕事していた、という従業員の主張があった場合、オフィスの出入館記録や他の従業員の証言、当時の業務量を調べます。
次に、会社側からの法的は反論を検討し、その反論を支える証拠があるのかを検討します。実務上、一番多いのは、「管理監督者」であるとの主張です。分かり易くいうと、「労務を管理する側の立場であって、労働時間にも裁量はあり、残業代は発生しない」という反論です。紛らわしいのですが、職位でいう「管理職」とは異なる概念です。
これらの資料収集と検討を経て、対応方針を決定します。
方針決定にあたっては、残業代が法的に認められる可能性の大小や、反論が認められる可能性の大小を中心にしつつ、会社としてのスタンスや他の業務への影響なども、考慮要素となります。
弁護士は、これらの検討を通じて、客観的な立場から、法的な見通しを立て、経営者の判断をサポートします。
交渉が決裂した場合は、従業員の側から、「労働審判」か「訴訟」を選択することになります。使用者側として、一概にどちらが有利であるとは言い切れません。労働審判の特徴は、早期解決の可能性が高いことです。
労働審判においても、金額の交渉が行われます。労働審判での駆け引きの基準は、「訴訟になった場合、どのような判決が出るのか」という予測から逆算した見通しです。その意味では、労働審判まで進むと、弁護士によるサポートは非常に重要であると思います。
また、訴訟になると、「付加金」という会社側には非常に不利な制度があります。そのため、労働審判で解決するか否かの決断においては、訴訟となった場合の見通しが決定的に重要となります。
「総務課長」の職位にあった従業員から、「名ばかり管理職」だとして、残業代請求があった事例がありました。会社側から依頼を受け、勤務実態を検討した結果、勤務時間に相当な裁量があり、「管理監督者」と認定される可能性が極めて高いことが判りました。この分析を、労働審判で裁判官に説得的に説明し、強気の交渉をしたところ、会社側が想定した範囲内の条件にて解決することができました。
有利で迅速な解決のため、弁護士は次のような活動をします。
残業代請求への対応にあたっては、多くの検討事項があります。弁護士は、これらの点について、率直で具体的なアドバイスを提供し、最善の解決を得るよう、経営者をサポートいたします。
〒631-0824 奈良市西大寺南町8番33号 奈良商工会議所会館1階
TEL 0742-81-3323
FAX 0742-81-3324
近鉄「大和西大寺駅」南側より徒歩3分。
近鉄「大和西大寺駅」の中央改札口を出て、右方向(南側)に進み、地上まで降ります。
バスロータリーから南に向かって直進し、一つ目の信号を越えた左手に「奈良商工会議所会館」のビルがあります。
その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。
阪奈道路(高架下)から「菅原東」の交差点を曲がり、「大和西大寺駅」方面(北側)に向かって道なりに進みます。
「大和西大寺駅」南側のバスロータリーより一つ手前の信号の右手に「奈良商工会議所会館」のビルがあります。
その1階に弁護士法人ナラハ奈良法律事務所があります。
《駐車場について》
ビルの来館者用駐車場に空きがあれば無料でご利用いただけますが、空きがない場合は周辺のコインパーキングをご利用ください。